茶こしとティーパック

 今いるファミレスには飲み放題のドリンクバーがある。結構良くできている。茶葉の種類が結構多く、コーヒーばかりの私も、ときどきレモングラスとかローズヒップとかを選んでみたりする。
 この店では、紅茶や日本茶をビンの中の茶葉を木のスプーンで茶こしに入れて淹(い)れる。カップに茶こしがすっぽり入り、そのままお湯を入れればいい。蒸らすためのフタがあって、逆さにすると茶こし乗せになる。いざ飲むときに茶こしの置き場に困ることもない。
 ドリンクバーの場合、お茶はティーパックという店も多いけれど、茶こしを使う方がより本格色が出て、なんとなくクオリティアップした印象を受けるから面白い。茶こしとフタの工夫もいい。ティーポットを使えばよりベターかも知れないけれど。
 実は、ドリンクバーにティーパックを置くと、わしづかみにして持ち帰ってしまう客が多いらしい。確かに、ティーパックを置いている店は「飲む分だけ取ってください」のようなメモが貼ってあったり、監視カメラがドリンクバーを見ていたりするものだ。この店も昔はティーパックだったが、茶こし方式にしたのはおそらく、わしづかみ防止のためなのだろう。
 何かの問題を解決するのに、利用者がまったく別のメリットを感じられる方法を採用するというのは賢い。他分野の製品やサービス開発でも取り入れて欲しい考え方だ。