犬の表情とサイボーグと眼鏡

台風あけの早朝。早い朝食(前夜の夕食とも言う)を食べた帰り道。このあたりは、犬を散歩させてる人が多い。角を曲がったところにも一組。
柴犬っぽい小さめの犬が、飼い主の足下で自分の尻尾を追ってくるくる回りながら進んでいる。
割とかわいい。意味なく、「にくげなる稚児」という言葉が頭をよぎるが、ここでは意味が間違ってる。詰め込み教育の弊害か(詰め込んだ覚えはまったくないのだが)。
それはさておき。
くるっと一回転、くるっと二回転。
そして目が合う私と犬。
まるで映画かマンガのような、一瞬のフリーズ。
犬の「決まり悪そうな顔」ってのを初めて見た。
直後、その犬はいきなりシャンと背筋を伸ばし、飼い主に並ぶと何事もなかったようにスタスタと歩き始める。
後ろを歩く私の方は気にするそぶりすら見せず。
こういうとき、あの一瞬をデジカメで押さえられたら、と思うんだが、ヘボカメラマンの私にとって、シャッターチャンスはいつも過去にしか存在しない。
攻殻機動隊に出てくるようなサイボーグなら、記憶を(というか、過去に網膜でとらえた映像情報を)画像として取り出せるんだろうなあ。
それはムリとしても、眼鏡と連動して、見ているものを一定時間撮影し続け、メモリー内であれば写真にできる、というデバイスは、現在でも(金に糸目をつけなければ)実現できるような気がする。
眼鏡とエレクトロニクスといえば、「電脳コイル」。面白いね。
あの眼鏡、というか、社会環境まるごと、欲しい。「週刊メガネ」でライターやりたい(笑)。