ボット投票

 「ボット」という不正プログラムがある。
 厳密には違うんだけど、コンピュータウイルスの一種と思っていただいていい。
 ボットが動き出しちゃったパソコンは、遠隔地にいる悪人の命令で勝手に動いて他のコンピュータに対して攻撃をしかけたりする。これを、大量のボット感染パソコンで大規模に行うのが「ボットネット」。
 今は情報の盗難や集中攻撃などに使われているけれど、実際のユーザーになりすましてウェブ投票をするのに利用されると、IPアドレスが分散した状態で票を集めることができ、大変なことになりそう。ユーザー認証がないシステムなら簡単にやられちゃいそうだ。
 BotとVote(投票)で語呂もいい。
 ボットに自分のウェブサイトに配信されているネット広告をクリックさせるというアイデアもある。アフェリエイト広告だと実際の商売にならないと手数料が入らなかったりするが、古式ゆかしいバナー広告ならコロッとだませそう。手数料を取りたいサイト運営者がボットネット持ちにお金を払って依頼し、それ以上の手数料を得る、というシナリオも考えられる。広告クリックが大量すぎても疑われる原因になるので、バランスが重要になったりして。当然、バランス調整もソフトウエアでやる。
 もう一歩進めて、パソコンの持ち主に黙ってボットを置くのではなく、利益の一部を還元する契約でボットを導入してもらうというのはどうだろう? クリック単価は安いからボットひとつあたりの分け前なんてたかが知れているけれど、ひとつのボットで複数からのコントロールを受け付けるシステムなら、広告クリック回数が増えるので「チリも積もる」可能性がある。貨幣価値に差がある発展途上国なら「チリの山」もかなりの価値かな、とか思ってみたり。(悪事の山分けってのは、一番もめるところでもあるけど)
 ひょっとすると、すでにボットなんて使わず人力でやってる可能性もあるなあ。指示されたサイトの広告を次々とクリックするアルバイト。地味で辛そうだ。(ちゃんとやってるか、ボットで見張ってたりしてね)
 とはいえ、現状は端末のIPアドレスである程度国が特定できるので、アフリカ某国あたりから日本語の広告を大量にクリックしても、疑われるだけですが。ボットにIPアドレスを偽装する仕組みを入れておかないとだめですな。

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全部「悪事」です。念のため。
 特定サイトへのリンクを含む、パッと見ちゃんとしているブログを大量に自動生成してGoogleのランクを上げる、なんて応用もありそう。