まず最初に1本植えてください。

 NECのインターネット接続サービスBIGROBEが、Web検索にカーボンオフセットの概念を導入した「BIGROBEツールバー for エコ」の提供を開始した。(http://toolbar.biglobe.ne.jp/index.html
 検索時の電力消費等で排出される二酸化炭素を、植林するユーカリが吸収する分で相殺(オフセット)する、という志はすばらしい。
 でもね、説明を見ると「100万件で1本」なの。
 100万件の検索に「20年」を見込んでいて、その間に排出される二酸化炭素が約400kg。ユーカリ1本が吸収する二酸化炭素が20年で約400kgだから計算が合うと言うんだが。
 おかしい。
 まず、計算上このツールバーによって最初のユーカリが植林されるのが20年後だ。最初の1本に到達するまでのスパンが、どう考えても長すぎるだろう。しかもそのユーカリが相殺するのはその後20年分の二酸化炭素。「まず1本植えました」というところからスタートすべきじゃないの? (NECは2002年から別途植林活動をしているので、20年で1本増やすことに意味があるとは思えないけど)
 それ以前に、20年間もツールバーで検索が行われるという前提からして、現実味がない。
 「エコ」でユーザーを集めようというマーケティングは、方向性としては間違ってない。でも、具体的な方法が完璧に間違っていると思う。

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 ちなみに、Googleの全世界における検索数は、確か1日あたり1億を超えてるはず。