Google Gear と Palm Foleo

ikuosaito2007-06-06

グーグルがオフラインでも同社のサービスを利用可能にするソフト「Google Gear」のベータ版を公開、パームが新ジャンルのモバイルコンパニオンと呼ぶ「Foleo」を発表した。(リンク先はいずれも英語)
Google Gearは今のところRSSリーダーである「GoogleReader」でしか利用できないけれど、私はたまたまこれを使っていたので試してみた。オンライン時にバックグラウンドでデータを余計にダウンロードしておくタイプではなく、明示的に「オフラインにする」と指示すると、その時初めて2000件ほどのRSSフィードを読み込む。20秒ほどだからさほど待たされない。オフライン中に未読/既読の変更や、スター(gmailでもお馴染み)の付与した結果は、次回、明示的に「オンラインにする」と指示したときにサーバ側とシンクロされる(今なら、シンクロというよりシンク syncがベターか)。オンライン/オフラインを手動で切り替えられるので、PCのLANをわざわざ無効にしなくても試せるのが面白い。現在はベータなので、最終的には完全バックグラウンド方式になる可能性があるものの、私はこのままのほうが好み。
GoogleはDocs&Spreadsheetsをオフラインでも使えるようにすることを考えているはずだけれど、個人的には先にカレンダーに対応して欲しい。(gmailはメールクライアントからsmtp/popアクセスできるので必要度が低いのだ)
一方、Foleoは大雑把に言うと「スマートフォン《が》母艦のハンドヘルドPC(ただしOSはLinuxベース)」。スマートフォンとデータをシンクして、より広い画面でメールを書いたり、添付書類を見ることができる。母艦(スマートフォン)の回線経由でインターネットにアクセスし、ウェブブラウズも可能。Foleoのメール画面を見たところ独立した「送信/受信」のボタンは見えなかったので、スマートフォンとのシンクと同時なんだと推測する。
視点をずらすと、Foleoは、スマートフォンをサーバーとする「クライアント」と言える。オフラインで作業できるように「シンク」する。その点で、Google GearとFoleoは共通している。Google Gearはシンクの橋渡し役、Foleoは端末という違いはあるけれど。余談だが、Google GearはLinux版もあるので、Foleoに搭載されたOperaに対応すれば*1Google Gear on Foleo も不可能ではなさそう。

Balanced Client(仮称)が《来る》のか

ThinClientは、サーバー側のコンピューティングパワーを前提にしたハード。RichClientは、まあ、言ってみればモダンなOSを乗せたパソコンの現行機みたいなもんだ(今ならゲーム機などの選択肢もあるね)。Webサービスを中心に据えたコンピューティングってのを考えた場合、オフラインでの作業を考えるとThinClientではだめだ。でも、RichClientは割高っぽい。Foleoのように、サイズ、使い勝手、コストなどのバランスが取れたクライアント(これをBalancedClientとしたわけだが)のニーズは、今後結構大きくなるような気がする。ジャストシステムATOKを移植してくれるだろうから、日本語入力は心配ないだろうし(頼りにしてます)。今は亡き「Handheld PC」*2も、キャラクター設定を変えれば通用しそうな気がするんだけど、どうだろう。
そういえば「スマートフォン」もBalancedClientの一種と言えなくもないような、そんな気がしてきた。多機能ケータイとして見ると最新機種は性能過多気味だけれど、BalancedClientとしてはいい感じなのかも。
というわけで、7日は、ウィルコムW-ZERO3後継といわれるWindowsMobile6搭載機の発表日。すでに発表されているSoftBankの端末等とどう差別化されているのかが興味深い。

*1:Google Gearは現在Operaに対応していない。

*2:HPCの末裔、シグマリオン3を現役で使用中なんだけど。