フォントと生産性

新しいパソコンを買う。OSが新しくなる。バージョンアップや乗り換えなどでソフトが新しくなる。こうしたことがあるたびに、かなり時間をかけてカスタマイズをしている。自分で使いやすいように設定を「いじる」わけだ。
個人的に重視している設定項目が「フォント」。文字の形とサイズをいろいろ変えてみて「ピタリ」とくるものを探すのだ。
Windowsのタイトルやメニューなどの表示はだいたい小さく設定し直す。パソコンによって画面サイズが違うので、読める範囲で情報量を増やす方向でいろいろ試す。IEFirefoxOpera等のブラウザでは、標準フォントを入れ替えサイズを下げる。(私はページ作者側でフォントを固定するのに反対の立場)。エクセルなら、表の一覧性を高めるため、あらかじめ標準フォントのサイズを小さめにしておく。Vistaでは、どのソフトでも一度は新フォント「メイリオ」を試して、「使える」かをチェックする(余談だが、IE7との組み合わせは最悪。レイアウトがおかしくなる)。ワードは紙面掲載用のサンプルを作るときくらいしか使わないので標準設定のままだけれど、秀丸エディタ紙copi、MindManagerなどの、アイデアをまとめたり原稿を書いたりするのに使うツールでは、いろいろ設定を変える。
おもしろいことに、私にとって「読みやすい」フォントと「書きやすい」フォントはイコールではないらしい。原稿を「書いている最中」はかな漢字変換や書きながらの修正があり、視点がカーソル位置付近を激しく往復する。一方、ウェブサイトや書き終わった原稿などを「読む」ときには、意味がつかめなかったり、文章がおかしかったりといった場所以外では、視点が流れるように進む。そんな違いがあるからなのかと想像してみたり。
それからもうひとつ、明朝体や教科書体ではやや硬い文章、ゴシック体(特に丸ゴシック系)はちょっと柔らかい文書が書きやすい気もしている。見た目から自分が受けるイメージに影響されているんだろう。秀丸エディタでは、執筆用と推敲用の表示設定を作っている。
多分に気分的なものとはいえ、フォントをうまく選ぶことで生産性が上がるのだから、時間をかける意味はあると思っている。
しかし、どうやらパソコンそのもののサイズ(特に画面とキーボード)によっても、私の生産性は大きく左右されるようなのだ。これはまた別の機会に語ってみたい。