iPhoneの真似はいいけど

 iPhoneiPod touchの操作の新しさや楽しさが喧伝されて、画面オンリーでタッチ操作の製品が日本でも増えてくるんだろうなとは思うんですが。個人的にiPhoneiPod touchの偉いところは、ああいう操作(ジェスチャーとか)に対して、システムからのレスポンス(画面書き換え)が見た目リアルタイムに帰って来ていることだと思うのですよ。
 ウィンドウズでの、アイコンのドラッグを想像してもらうといいかな。画面上のアイコンにカーソルを合わせて、ボタンを押しながら引きずる。あれ、マウスの動きにアイコンがついてこなかったら、不快だし使いにくいでしょう。(Windows、たまにアイコンがついてきてくれないよね・・・)
 画面上の操作対象をメニューなどを使わずダイレクトに操作するUIでは、ユーザーの操作に対するリアルタイムのレスポンスが快適性に大きく影響する。アイコンのドラッグで言えば、ファイルの移動というシステム的な処理は後から実行されるにしても、アイコンをフォルダに入れるという画面の表示は操作に合わせてやってくれないと困る。
 これを乏しいマシンパワーで実現するには、操作があったらとにかく表示をそれっぽく動かして、余裕ができたら実処理とつじつまを合わせる、という作り込みが必要だろう(オンラインゲームで複数ユーザー間のつじつまを合わせるのにもちょっと似てる)。iPod touchでは、ブラウザ(safari)での画面スクロールや拡大縮小の最中は文字のアンチエイリアス処理を止めているけれど、たぶん、描画の負荷を減らしているのだろう。
 iPhoneっぽいUIは簡単に真似できると思うんだけど、そういう反応速度を作り込んでくるメーカーはどれだけあるか興味深い。
 操作に対するレスポンスで成り立っていると言っても過言ではないゲームソフトメーカーは、いろいろノウハウ(技術と発想)を持ってるんだろうなあ。